知恵蔵 の解説 強磁場によるセラミックス結晶配向技術 磁性を示さないアルミナなどのセラミックス粉を強い磁場中で成形することにより、粉の結晶粒を一方向に配向させる新技術。 一般に磁石粉は、磁場中で成形することにより、磁場方向に回転し配向することが知られているが、アルミナや二酸化チタンなどのセラミックスのような常磁性体では、磁場を印加させたときの磁化率が小さく、配向させることは難しかった。しかし、近年超伝導マグネットなどの発達とともに、数テスラの強磁場が得られるようになり、この技術の応用範囲が広がった。強磁場中でもセラミックス粉の回転トルクが小さいため、セラミックス粉をコロイド状にして分散させ、磁場方向に回転しやすくする工夫が必要である。構造用セラミックス、誘電体、熱伝変換材料、超伝導セラミックス材料への適用が可能であり、今後の特性の向上が期待される。 (岡田益男 東北大学教授 / 2008年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by