普及版 字通 「徇」の読み・字形・画数・意味


9画

[字音] ジュン
[字訓] となえる・したがう

[説文解字]

[字形] 形声
声符は旬(じゅん)。〔説文〕二下に「行(ゆくゆく)示すなり」とあり、巡行して衆に示すことをいう。また軍中などに宣布する意に用いる。〔周礼、夏官、小子〕に「そ師田(かり)するときは、牲を斬りて以て左右に徇陳す」とは、軍中に戒告することをいう。徇義徇節のように自ら服する意にも用い、そのために命を棄てることを殉(じゆん)という。

[訓義]
1. となえる、ふれる、ひろくしらせる、あまねくする。
2. したがう、したがえる。
3. もとめしたがう。
4. めぐる。

[古辞書の訓]
名義抄〕徇 トナフ・アハネシ・シタガフ・イトナム 〔字鏡〕徇 シタガフ・トナフ・トドム・アマネシ・シタフ・メグル

[語系]
徇・殉ziuenは同声。命に従うを徇といい、生命を以てするを殉という。循・(巡)ziunと声近く、巡察して命を布く意に用いる。また、(遵)tziun、帥・(率)shiutは率循の意。みな一系の語である。

[熟語]
徇意徇隠徇己・徇義徇行徇国徇財・徇察徇私徇斉・徇節徇俗徇達徇地・徇陳徇通徇難徇庇徇物・徇徇名
[下接語]
夸徇・私徇・難徇

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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