後指を指す(読み)うしろゆびをさす

精選版 日本国語大辞典 「後指を指す」の意味・読み・例文・類語

うしろゆび【後指】 を 指(さ)

人を背後からそしる。陰で悪口をいう。
義経記(室町中か)八「傍輩(はうばい)たちに笑はれんぞ。うしろゆびをさされば、家の傷なるべし」
[語誌]挙例のように「義経記」に出ているが、非難・嘲りの意で用いる「ゆびをさす」の方がそれよりも早く見られる(「金刀比羅本保元‐中」)。ただ、「十巻本和名抄‐二」に「頭指 比斗佐之乃於与比(人さしのおよび)」とあるので、第二指と人を指さす行為が古くから結びついていたことがうかがえる。そして「ゆびをさす」といった場合には、非難・嘲りの意味が強くなり、さらに「ゆび」に「うしろ」という語が上接することで、本人の目の届かぬ所での非難・嘲りの意となった。

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