心細(読み)こころぼそい

精選版 日本国語大辞典 「心細」の意味・読み・例文・類語

こころ‐ぼそ・い【心細】

〘形口〙 こころぼそ・し 〘形ク〙
① 頼りなく不安である。心配である。
※竹取(9C末‐10C初)「見れば、世間心ぼそく哀れに侍る」
雪国(1935‐47)〈川端康成〉「心細いポンプだね、明治前だ」
② ものさびしい。心さびしい。
伊勢物語(10C前)九「わが入らむとする道は、いと暗う細きに、つたかへでは茂り、物心ぼそく、すずろなるめを見ることと思ふに」
徒然草(1331頃)一九「すさまじきものにして見る人もなき月の、さむけくすめる廿日あまりのそらこそ、心ぼそきものなれ」
③ 中世歌人の創作態度の一つで、頼りなくさびしい境地に身をおくこと。また、そのような静寂な境地を示している歌に対する評語。幽玄形成の主要要素。
※類従本元永元年十月二日内大臣忠通歌合(1118)「かりに音する人なからむは、今少こころほそくぞ見え侍る」
こころぼそ‐が・る
〘自ラ五(四)〙
こころぼそ‐げ
〘形動〙
こころぼそ‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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