日本大百科全書(ニッポニカ) 「忌挿し」の意味・わかりやすい解説 忌挿しいみざし 祭りにあたって、そこが清らかな祭場だということを示すために、村境などに立てる神聖な木。京都の賀茂祭(かもまつり)、松尾(まつのお)祭などにこの例がある。和歌山県岩出(いわで)市の総社権現(ごんげん)では、8月1日夜の丑(うし)の刻に2か所の村境にサカキを立てることから、この祭りを斎挿(いみざし)祭という。標示の意味が忘れられ、サカキそのものが神聖だと考え、その葉を村人が争い取るようになっている。南九州の柴(しば)挿しも一連のものである。[井之口章次] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例