応答解析(読み)おうとうかいせき(その他表記)response analysis

日本大百科全書(ニッポニカ) 「応答解析」の意味・わかりやすい解説

応答解析
おうとうかいせき
response analysis

建築用語。主として地震や風に対する建物の揺れ方を明らかにするプロセスをいう。ある系(システム)に外乱とよばれる外からの作用が働いたとき、その系に生ずる反応が応答であり、この応答の性質を明らかにしようとすることが応答解析である。

 外乱はインプットinput(入力)、応答はアウトプットoutput(出力)にいいかえられる。外乱は系に応答を生ぜしめる原因であり、応答はその結果である。応答解析は、この原因と結果との間の因果関係を探ることをねらいとするが、系の反応が単純でない場合は因果関係をとらえることも簡単ではない。外乱が地震動で、系が建物で、建物の揺れが応答である場合は、いわゆる建物の地震応答解析の例に該当する。地震動がさほど大きくなければ建物は弾性的な応答にとどまって弾性応答解析(線形解析)ですみ、中に住むわれわれも安心であるが、地震動が激烈であれば、建物の応答は弾性範囲を超えて塑性領域にまで及ぶであろうし、弾塑性応答解析(非線形解析)が必要となる。応答量の変動を振動数や周期の領域に変換して調べることがあるが、これは応答スペクトル解析とよばれる。

[小堀鐸二・金山弘雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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