デジタル大辞泉 「領域」の意味・読み・例文・類語
りょう‐いき〔リヤウヰキ〕【領域】
2 国際法上、国家の主権の及ぶ区域。領土・領海・領空からなる。「他国の
3 コンピューターで、プログラム上のある操作が及ぶ範囲。また、ハードディスクなどの記憶装置上で操作が可能な範囲。「
[類語](1)分野・方面・世界・領分・境域・部門・畑・ジャンル・フィールド/(2)領分・縄張り・島・テリトリー・範囲・枠・世界・地域・区域・地区・地方・方面・一円・一帯・地帯・
国際法上,国家の領域すなわち国家の主権に属する空間をいう。国家は,国際法に基づき,国際慣習や条約による制限のないかぎり,その領域を他国の支配を受けることなく自国だけで自由に支配できる。領域内にあるすべての人は,その国の国民であるか否かを問わず,もっぱらその国の支配--立法,司法,行政の作用--に服する。また,国家は,領域そのものを排他的に使用し占有し,または処分することができる。国家が領域に対してもつこのような権能を,領域主権(領域権)または領土主権(領土権)とよぶが,それは,領域内の人に対する法的支配の権能と土地(領域)に対するいわば所有権的な権能の二つの側面を含むものである。このような意味において主権が領域的であること,すなわち領域を基礎概念として構成されていることが近代国家の特徴である。
領域は,一定の土地(領土)を中心に,その周辺の一定海域(領海)とそれらの上空(領空)から成る三次元の空間である。そのうち中心をなすのは領土であり,内陸国の場合のように領海のない国はあっても,領土のない国は存在しない。領海は領土に付随し,領空は領土および領海に付随する。
領域の範囲は,領土が領域の限界をなしているところでは国境線によって,領海があるところでは領海の限界によって画される。また今日では,領空に上方の限界があるというのが共通の認識であるが,具体的にどこまでかに関しては合意が成立していない。
執筆者:尾崎 重義
数学用語。一般に,位相空間X内の連結開集合のことをXの領域というが,よく用いられるのはユークリッド空間Rnの領域である。この場合には,Rn内の開集合Uであって,Uの任意の2点はUに含まれる連続曲線で結ぶことができるようなものが領域であると定義してもよい。数直線Rの領域は開区間に限るが,n≧2の場合にはRnの領域は多様である。ジョルダン曲線,すなわち円周と同相なR2上の曲線はR2を内部と外部の二つの領域に分けるが,この内部をジョルダン領域と呼ぶ。R2の領域を面分ともいう。Rnの開集合は互いに交わらないたかだか可算個の領域の和集合として表される。領域とその境界の合併を閉領域という。なお,次元論で有名な次の定理は領域不変性定理と呼ばれている。〈Rnの二つの部分集合が同相で,一方が開集合ならば,他方も開集合である〉。
→連結
執筆者:中岡 稔
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…正式名称=カナダCanada面積=997万610km2人口(1996)=2978万人首都=オタワOttawa(日本との時差=-14時間)主要言語=英語,フランス語通貨=カナダ・ドルCanadian Dollar北アメリカ大陸の北半部を占める広大な国で,面積はロシア連邦に次いで世界第2位。立憲君主制の連邦国家で,10州provinceと3準州(テリトリーterritory)から成る。国名は〈村〉を意味するイロコイ・インディアンの言葉に由来するといわれ,日本では〈加奈陀〉あるいは略して〈加〉の字をあてることがある。…
…国家の領域のうち陸地の部分。河川・湖沼などの内水域や,大陸本土に付属する島嶼(とうしよ)は当然これに含まれる。領土をもたない国家は考えられず,また,領海や領空は領土に従属して存在するものであるから,領土は国家の領域の中でも最も本質的で中心的な構成部分である。そのことから,広義では,国家の領域全体をたんに領土とよぶこともある。この場合には,領海・領空をも含めて領土とよんでいるわけである。 狭義の領土には,領域として最も強い国家の排他的支配権が及ぶ。…
…等質性,統一性などが識別される地域のほかに,政治・行政上その他の実用上指定された区域も地域と呼ばれることが多く,前者を実質地域または地理学的地域,後者を形式地域として区別することもある。地域の代替語あるいは類語には,地区,区域,領域,圏域,地帯,地方などがあるが,相互の使い分けは一定していない。また地域の複合語としては,地域住民,地域社会,地域主義,地域計画,地域指定,地域性,地域区分など多数のものがあり,法律用語においても地域概念の重要性が高まり,〈地域〉は現代社会に関するキーワードの一つとなっている。…
…これらの公理系によれば,(1)自然数全体は集合をなし,(2)一つの集合の部分集合全体も集合をなし,(3)二つの集合の直積A×Bも集合をなし,(4)集合Aから集合Bの中への写像fがあれば,fの像全体f(A)も集合であり,さらに,(5)一つの集合Aにおけるある条件(これも公理によって規制される)を満たす元の全体も集合であるので,よほど奇妙な集りを考えないかぎり集合であると思ってよいだろう。カントルが集合と定義した内容のものは必ずしも集合ではないので,それを領域と呼ぶことがある。 また,公理のうちで,特別視されているものに選択公理がある。…
※「領域」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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