恒等写像(読み)こうとうしゃぞう(その他表記)identity mapping

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「恒等写像」の意味・わかりやすい解説

恒等写像
こうとうしゃぞう
identity mapping

恒等変換または単位変換ともいう。集合 S の任意の元 xx 自身を対応させる写像 I (あるいは ide などと書く) を,S の恒等写像という。これを写像 ISS で表わす。 I はもちろん全単射である。たとえば,xSyT において,写像 fST逆写像f-1TS とすれば,f-1(f(x))=xf(f-1(y))=y であるから,f-1f および ff-1 はそれぞれ S および T の恒等写像である。写像 (変換) としてもとのままで動かさない場合になっている。

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世界大百科事典(旧版)内の恒等写像の言及

【写像】より

…例えば,(1)f(x)=x3xは実数の全体RからR自身への全射であるが,単射ではない,(2)f(x)=exは,RからRへの単射であるが,全射ではない,(3)f(x)=x5+1は,RからRへの全単射である。
[包含写像,恒等写像]
 集合Aの部分集合A′の各元aに,aaと定めると,A′からAへの単射写像を得る。この写像を,A′からAへの包含写像という。…

※「恒等写像」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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