精選版 日本国語大辞典 「惨・酷」の意味・読み・例文・類語
むご・い【惨・酷】
〘形口〙 むご・し 〘形ク〙
※虎明本狂言・二千石(室町末‐近世初)「其お手もとがむごひほど似まらした」
② 見るにたえないほど痛ましい。悲惨である。
③ 思いやりがない。薄情である。無慈悲である。残酷である。ひどい。
※虎明本狂言・武悪(室町末‐近世初)「しうめいとて、今せいばひする事むごひ事なれども」
[語誌](1)近松の世話浄瑠璃では③の挙例「心中天の網島」など、会話文に偏る傾向が認められる。また「志不可起」(一七二七)でも、見出し語に掲出されており、口頭語的性格の強い語であったことがうかがわれる。
(2)派生語にムゴラシイ・ムゴタラシイがあり、いずれもムゴイの強調形である。ムゴタラシイはムゴラシイよりも成立年代は下り、先行するムゴラシイの強調形として、成立した語形であると考えられる。
(2)派生語にムゴラシイ・ムゴタラシイがあり、いずれもムゴイの強調形である。ムゴタラシイはムゴラシイよりも成立年代は下り、先行するムゴラシイの強調形として、成立した語形であると考えられる。
むご‐が・る
〘他ラ四〙
むご‐げ
〘形動〙
むご‐さ
〘名〙
むご・し【惨・酷】
〘形ク〙 ⇒むごい(惨)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報