日本大百科全書(ニッポニカ) 「慈湖」の意味・わかりやすい解説
慈湖
じこ / ツーフー
台湾の北部にある湖。台北(たいほく/タイペイ)の南西33キロメートル、桃園(とうえん/タオユワン)県大渓(だいけい)鎮の南5キロメートルに位置する。淡水(たんすい)河の上流部にあたる大漢(たいかん)渓の支流福安(ふくあん)渓の遊水池で、面積約800平方メートル、前湖と後湖の2湖からなる。水流は前湖に入り、後湖より北流して大漢渓に注ぐ。1961年蒋介石(しょうかいせき/チヤンチエシー)は、この地の景観が、故郷である江南(こうなん/チヤンナン)の水郷に酷似しているのにひかれ、生母王太夫人をしのんで湖畔に別荘を建てた。蒋介石の死後、別荘内には彼の水晶霊柩(れいきゅう)が安置され、台湾の朝野参拝の中心となっている。台北、桃園からバスの便がある。
[劉 進 慶]