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水郷 すいごう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

水郷
すいごう

大河川の下流地方や湖沼の周辺などの低平な湿地の広い地域をいう。中国の揚子江下流のクリークの発達する沖積低地ミシシッピ川の三角州,オランダのポルダーと呼ばれる低地などがよく知られている。日本では利根川木曾川,筑後川などの下流域に形成された沖積低地で,多くの水路網や湖沼群などが分布する。特に利根川下流域の沖積低地は固有名詞として用いられている。水郷では自然堤防上に集落や畑が立地し,後背の低湿地は水田や養魚池などに利用され,近年まで水運がおもな交通機関であった。

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デジタル大辞泉の解説

すい‐きょう〔‐キヤウ〕【水郷】

湖や川の景色が美しい町や村。水村。すいごう。
すいごう(水郷)

すい‐ごう〔‐ガウ〕【水郷】

すいきょう(水郷)1」に同じ。「水郷柳川(やながわ)」
茨城県・千葉県境の利根川下流の低湿地帯の称。佐原(さわら)・加藤洲(かとうず)十二橋・十六島(じゅうろくしま)・潮来(いたこ)などを含む地域。水郷筑波(つくば)国定公園の一部。

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世界大百科事典 第2版の解説

すいごう【水郷】

千葉県北部から茨城県南部にまたがる利根川下流の低湿地帯。利根本流,横利根川,北利根川,霞ヶ浦,外浪逆浦(そとなさかうら),北浦の沿岸に広がり,水郷筑波国定公園に指定されている。古代には香取海といわれた流海で,中世に利根川水系の堆積作用で沖之島などの川中島が形成され,近世初期の利根川の河道付け替え以後急速に陸化が進み,十六島(じゆうろくしま)などの新田開発が進展した。水郷の中心の十六島はかつてはエンマという水路が縦横に掘られ,灌漑,排水路として,また交通路として利用された。

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大辞林 第三版の解説

すいきょう【水郷】

水辺の村里。特に、川や湖などが多くある景勝地。
すいごう(水郷)」に同じ。

すいごう【水郷】

◇ 利根川下流域の低湿なデルタ地帯の称。本流とその北岸の横利根川・北利根川・北浦などの沿岸地域を含み、千葉県香取市と茨城県潮来いたこ市を中心とする。近年まで水路網が発達していた。
すいきょう(水郷)」に同じ。 「 -柳川やながわ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

水郷
すいごう

大河川の中・下流の低湿な三角州地域で、水路網が発達し、舟による交通が発達している地域。利根(とね)川、信濃(しなの)川、木曽(きそ)川、筑後(ちくご)川などの中・下流地方、中国の長江(揚子江(ようすこう))下流のクリーク、オランダのポルダーとよばれる低地などにみられる。
 とくに利根川下流と霞ヶ浦(かすみがうら)を中心とする湖沼地帯は典型的な水郷景観を呈し、その範囲は霞ヶ浦と北浦の南端にあたる。利根川が東流して横利根川と北利根川に挟まれた川中島の地域で、低湿なデルタを形成する。近世初期江戸湾へ注いでいた利根川が銚子(ちょうし)へと流路を変えられ、香取(かとり)海へ土砂が堆積(たいせき)して低湿地をつくった。
 江戸幕府は対岸の常陸(ひたち)佐竹藩に対する防衛上の意図から帰農武士に16の新田を開発させた。集落は島や州の地名がつくものが多いが、これは1~2メートルの自然堤防上の微高地上に立地しているからであり、ために絶えず水害を受けてきたが、明治以後は低水位工事から高水位工事にかえられて堤防が強化され、川幅も広げられた。第二次世界大戦前においては無数の水路が走り、これが唯一の交通路であって農民は田舟で農作業に出るとともに腰までつかって田植をした。
 1957年(昭和32)に利根川特定地域総合開発事業として水郷地帯の土地改良と干拓が行われた。鹿島(かしま)臨海工業地域の工業用水を確保するために北利根川と常陸利根川の川幅拡張工事が始まり、その土砂を利用してクリークを埋め、圃場(ほじょう)を整備して湿田の乾田化を図る県営圃場事業を推進した。現在、耕地整理されたみごとな水田と舗装された農道とが、水郷農村の変容をよく示している。与田(よだ)浦の一部は干拓され、そこに水生植物園が造成されたので、6月のアヤメのシーズンには農民の操る観光田舟が行き交い、加藤洲(かとうず)十二橋巡りや潮来(いたこ)とを結ぶ水郷筑波(つくば)国定公園の観光拠点となっている。[山村順次]

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世界大百科事典内の水郷の言及

【利根川】より

…ここでは利根川は常総台地と下総台地の間を流れ,また霞ヶ浦,北浦,印旛(いんば)沼,手賀沼などの湖沼が存在し,末端は利根川と結びついている。この地域における利根川の傾斜は非常に緩く,湿地も多く,また三角州もみられ,全域が低湿な水郷地帯の観がある。この地域にみられる自然堤防は,埼玉県羽生市付近のものに比べて,形成の時期が新しく,規模も小さい。…

※「水郷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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