桃園(読み)トウエン

デジタル大辞泉 「桃園」の意味・読み・例文・類語

とうえん〔タウヱン〕【桃園】

台湾北西部にある県。台北などへの通勤者が多く住む衛星都市が連なる。台湾桃園国際空港がある。タオユワン。

もも‐ぞの【桃園】

桃の木が多くある庭園

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「桃園」の意味・読み・例文・類語

もも‐ぞの【桃園】

  1. [ 1 ] 桃の木が多く植えてある園(その)。とうえん。
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] 平安京大内裏の北郊、一条の北、大宮の西の地。はじめ内膳司所管の果樹園であったらしく、園ノ池とも枸杞(くこ)園とも称した。のち邸宅地となり、清和天皇の皇子貞純親王が桃園宮を開いた。親王・斎院が住み代わり、さらに源保光、藤原師氏・伊尹(これただ)などの第(だい)となる。藤原行成が伝領してここに世尊寺を建立した。
      1. [初出の実例]「我御殿のももぞのなるに渡りて」(出典:蜻蛉日記(974頃)中・安和二年)
    2. [ 二 ] 東京都中野区中野三・四丁目、中央五丁目一帯の旧町名。徳川綱吉の犬御殿が置かれていた所で、吉宗がその跡地を桃園としたもの。遊郭があった。ももばやし。

とう‐えんタウヱン【桃園・桃苑】

  1. 〘 名詞 〙 桃の木が多く植えてある園(その)。ももぞの。
    1. [初出の実例]「花舒桃苑香、草秀蘭筵新」(出典:懐風藻(751)春日侍宴〈安倍広庭〉)
    2. [その他の文献]〔劉長卿‐尋龍井楊老詩〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「桃園」の意味・わかりやすい解説

桃園
とうえん / タオユワン

台湾北西部の県。台北(たいほく/タイペイ)の南西23キロメートル、桃園台地上に位置する。全県人口173万2617(2000)、人口の半数客家(ハッカ)である。台湾最大の茶の産地。溜池灌漑(ためいけかんがい)が多く、近くの石門ダムと桃園大圳(たいせん)の灌漑施設により稲作も盛んで、台湾北部の穀倉地となっている。東6キロメートルに中正国際空港(桃園国際空港)があり、縦貫鉄道、南北高速道路が通る交通の要衝でもある。北部工業地帯の周辺部として工業、とくに紡績、化学工業が発展している。

[劉 進 慶]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「桃園」の意味・わかりやすい解説

桃園【とうえん】

台湾北部の県名市名。桃園市周辺の丘陵地帯は,18世紀半ばには客家の大規模な入植を受けて開発が進み,台北県とも隣接することから,農業地帯として発展した。桃園県の人口204万4023人(2013)。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

普及版 字通 「桃園」の読み・字形・画数・意味

【桃園】とうえん

桃ぞの。

字通「桃」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の桃園の言及

【白樺】より

…全160冊(ただし関東大震災の直前に161冊目の見本数部が刷りあがっていたという)。武者小路実篤,志賀直哉,木下利玄,正親町公和(おおぎまちきんかず)の《暴矢》(すぐ《望野》と改題,最後は《白樺》)と,里見弴,園池公致(きんゆき),児島喜久雄,田中雨村らの《麦》,柳宗悦,郡虎彦の《桃園》の三つの回覧雑誌が合同し,公刊《白樺》として発足。発足時のメンバーはいずれも学年,年齢を異にするが学習院の出身者であった。…

※「桃園」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android