慢性毒性(読み)まんせいどくせい

日本大百科全書(ニッポニカ)「慢性毒性」の解説

慢性毒性
まんせいどくせい

ヒトや動物が長期間にわたってさまざまな物質や物理的要因(電離放射線、電磁波など)に曝露(ばくろ)された場合に生ずる毒性影響を、慢性毒性という。

 さまざまな物質や物理的要因の慢性毒性は、ラットやマウスなどの実験動物に被験物質(または要因)を比較的低用量(濃度)で6か月以上連続的に曝露して(または反復投与して)、動物の体重、摂餌(せつじ)量、臨床症状および生存率などの指標に現れる変化と、神経学的検査、生理学的検査、生化学的検査、血液学的検査、および病理学的検査(剖検および病理組織学的検査)で検出されるさまざまな毒性影響を基に評価される。イヌを用いた試験が実施されることもある。

 ラットを用いる試験では、無処置群の動物の生存率が80%前後にまで低下する24か月間曝露を継続して、発癌(はつがん)性を含むあらゆる毒性を評価する慢性毒性・発癌性併合試験が実施されることもある。

[青山博昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の慢性毒性の言及

【毒】より

…毒物は毒性がきわめて強い物質といえる。毒性は一般に急性毒性と慢性毒性とに分けられる。たとえば青酸カリやフグ毒のように1回の摂取でもみられる毒性を急性毒性といい,鉛や発癌物質のように長期にわたる摂取の結果,徐々に現れる毒性を慢性毒性と呼ぶ。…

※「慢性毒性」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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