ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「慧観」の意味・わかりやすい解説
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… クマーラジーバの高弟である僧叡の提示した基本原理にもとづいて竺道生が在家信者のための〈善浄法輪〉,声聞,独覚,菩薩乗の〈方便法輪〉,《法華経》の〈真実法輪〉,《大般泥洹経(だいはつないおんぎよう)》の〈無余法輪〉という原初教判を創説した。つづいておそらく慧観が第一時には鹿野苑で四諦法輪を転じ,第二時には《大品般若経》,第三時には《維摩経》《梵天思益経》,第四時には《法華経》を転法輪し,最後に第五時に沙羅双樹の下で《大般涅槃経》を説法したという著名な五時教判を提唱した(《広弘明集》巻十九)。ほかにも竺道生の教判を発達させた劉虬の七階の教判などもあった。…
…〈如来は常住でうつり変わることなし〉と〈一切の衆生に悉(ことごと)く仏性あり〉との教旨を説いた。南朝では慧観(383‐453)らが謝霊運の協力を得て36巻本の南本《涅槃経》を完成させたことから大いに栄えた。しかし,隋代に智顗(ちぎ)が天台宗をおこし,涅槃の教旨を吸収してしまったので,急速に衰え,日本では宗派としての存在は認められない。…
※「慧観」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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