精選版 日本国語大辞典 「仕事」の意味・読み・例文・類語
し‐ごと【仕事】
(2)仕事の内容が様々なところから、近世から近代にかけての文献には、②④の例にもあるように、「職業(しごと)」「縫物(しごと)」「裁縫(しごと)」など漢字表記によって意味を明確にする方法が採られることがあった。
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力学の範囲で物体が外力Fを受けてr1の位置からr2まで移動したとき,
なるスカラー量を外力Fが物体に対してなす仕事と定義する。ただし,ここでX,Y,ZはFのx,y,z方向成分である。物体に力を及ぼしてもその物体が動かなければ(人間にとって)何の利益をも生み出さないという事実から,ガリレイの時代に仕事の概念が生まれた。すなわち,てこ,輪軸,滑車などの機械を用い,小さい力を大きくすることはできるが,そのためにはそれに反比例して着力点を大きな距離だけ動かさねばならず,いかなる装置を用いても両者の積である仕事を得することはできない。一度動かせば永久に動いて仕事をする機械は第1種の永久機関と呼ばれ,人類の夢であったが,力学の範囲のみならず電磁的,熱的な現象も含めて永久機関が存在しないことが19世紀に確立した。
物体(質点)の運動がニュートンの運動方程式に従う場合,上に述べた永久機関が存在しえないこと,すなわち仕事を無際限に作り出すことはできないことは,外力Fによって質点になされる仕事,は,この質点のr1からr2への運動において獲得する運動エネルギーの増加分に等しいという(力学系の)エネルギー保存則で表現される。例えば,一定水量を用いて水力発電を行う場合,発電ののち,使った水で再度発電を繰り返そうとするならば,いったん得られた電力と等価な労力を用いて,その水を再び高い位置に戻さなければならない。この事実から仕事がエネルギーの一形態であることがわかる。とくに力F(r)がスカラー関数(ポテンシャル関数)のこう配(グラディエント)-∇U(r)に等しい場合,この力Fは保存力と呼ばれ,(1)式の仕事Wはr1,r2における位置エネルギーU(r)の差,U(r1)-U(r2)に一致する。したがって,時間の逆転により質点がr2からr1へ運動すれば,ちょうど-Wの仕事が質点になされる(質点は外力に抗して外部にエネルギーWを供給する)こととなり,ハミルトン力学系の可逆性を示す一般的な特徴である。
Fがrのみならず速度v(=ṙ=dr/dt)にも依存する場合の仕事について一言しよう。質量m,電荷eの荷電粒子が電場以外に磁場Bを受けて運動する場合,と表されるが,この場合,を作ると磁場Bによる寄与は(v×B)・dr=(v×B)・vdtより0となるので,磁場は質点(荷電粒子)に対し仕事をしない(この場合はハミルトン系に準ずるとみなされる)。次にFがポテンシャル性保存力以外に減衰項を含む場合,
となり,の中に時間反転によって符号を変えない部分が含まれ,ハミルトン系の場合のような仕事の可逆性は失われる(事実,運動方程式(2)を導くハミルトン関数は存在しない)。この場合の仕事概念は,摩擦力によるようなエネルギーの消耗現象を含み,熱概念を含めなければエネルギー保存は理解されない。具体的には,方程式(2)の右辺の示す力に,さらにゆらぎを表す項を補った適当なランジュバン方程式によって,初めて熱の発生とそれを含めた形でのエネルギー保存則を表現することができる。
執筆者:長谷川 洋
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
運動の法則によれば、力が物体に作用するとその速度を変化させる。ベクトルとしての力を各瞬間ごとに、物体の運動の方向(速度の方向)の成分Ftとそれに垂直な成分Fnとに分けて考えると、Ftは速度の大きさ(速さ)を変え、Fnは速度の方向を変える働きをもつ。力の方向と速度の方向との間の角をθとすると、Ft=Fcosθと表されるので、θが90度より小さければこれは正になって物体を加速し、大きければ負になって物体を減速する(
参照)。ある時間力を加え続けたときの効果は、Ftと物体の動いた距離の積で表される。Ftが一定でないときには、物体の軌道を細分して、短い区間ごとにそのときのFtと動いた微小距離dsの積を求め、それを加え合わせれば(積分すれば)よい。これを力が物体にした仕事とよぶ。 運動方程式を用いると、物体に働くすべての力の合力のする仕事は、物体のもつ運動エネルギーの変化分に等しいことが導かれる。物体の質量をm、軌道上のA点とB点における物体の速さをVA、VBとすると、AからBまでの間に力のした仕事は
となる。
物体にいくつかの力が働いているときには、合力だけでなくそれぞれの力についての仕事を考えることができる。たとえば地上で物体を手で持ち上げたり運んだりするときには、手が物体にする仕事と、重力が物体にする仕事とを合計したものが、運動エネルギーの変化高に等しい。手でゆっくり持ち上げるとき、手は正の仕事をしているのに運動エネルギーが増さないのは、同時に重力が負の仕事をしているからである。鉛直上向きにz軸をとると、A点からB点までの間に重力のする仕事は、重力加速度をgとして、mgzA-mgzBと表され、Bのほうが高ければこれは負になる。手が物体にした仕事とこれとの和が運動エネルギーの変化高に等しいが、ゆっくり持ち上げて置いた場合にはVAもVBも0なので、結局手のした仕事はmgzB-mgzA(>0)に等しい。mgzを重力の位置エネルギーとよぶと、手のした仕事は(運動エネルギーの増加にはならずに)位置エネルギーの増加に費やされたことになる。
仕事は力の大きさと距離の積なので、その単位は、力の単位(N=kg・m/s2)と長さの単位mの積kg・m2/s2で表され、これをジュール(記号J)とよぶ。仕事の単位はエネルギーの単位と一致する。力に重力単位の重量キログラム(記号kgfまたはkgw)を用いると、仕事の単位はkgf・mとなる。1kgf・m=9.80665Jである。
[小出昭一郎]
ある物体に力F(Fx,Fy,Fz)がはたらき,その物体がΔS(Δx,Δy,Δz)だけ動いたとする.力Fの大きさをF,ΔSの大きさをΔS,二つのベクトルの間の角をθとする.このとき,
ΔW = FxΔx + FyΔy + FzΔz = FΔS cos θ
をその力が行った仕事という.θ < π/2のときはΔW > 0で,その力は正の仕事を行ったといい,θ = π/2のときはΔW = 0で力は仕事をしていない.θ > π/2のときはΔW < 0で,力は負の仕事を行った,あるいは物体が力に逆らって仕事したという.物体にいくつもの力 Fi(i = 1,2,…)が作用しているときは,そのベクトル和を上のFと考えてよい.すなわち,
F = Σ Fi
1 N の力がはたらき,物体がその方向に(θ = 0)1 m 動くとき,その力が行った仕事は1 J である.
1 J = 107 erg
である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 シナジーマーティング(株)日本文化いろは事典について 情報
…1912年からロシアで自身の秘教組織を構築し,20年代にはヨーロッパに渡って名を知られる存在となった。彼の教義は,人間を束縛する古い思考と感情を投げ捨てて高次の霊的自由を達成しようとするもので,それを実現するために〈ワークwork〉と呼ばれるシステムを提示した。重力と陋習(ろうしゆう)から肉体と精神を解放していく行法が含まれ,全体として今日の精神医学にいう集団療法,芸術療法を加えた西洋的禅が目ざされた。…
…社会的存在としての人間が,その生存を維持するために行う活動を,生産と消費に大別することができるとすれば,生産を支える人間の活動が広義の労働であるといえよう。しかしこれはかなり一般化したとらえ方であり,この語の伝統的な用法の中では〈労働〉は〈仕事〉としばしば対置して使い分けられ,それは英語におけるlaborとworkの使い分け方にほぼ一致している。前者は多少とも労苦をともなう活動のニュアンスを,後者は多少とも積極的な成果を展望する活動のニュアンスをもって用いられるといえよう。…
…英語ではエナージーenergyという。
【エネルギー概念の発展】
[仕事と力学的エネルギー]
エネルギーの概念が確立したのは19世紀後半であるが,これと深いかかわりをもつ仕事の概念の歴史はずっと古く,すでに紀元1世紀ごろ,アレクサンドリアのヘロンは,てこや滑車などの機械による仕事について,力に関する利得が速さまたは移動距離に関する損失で帳消しにされるということを述べている。これは現在仕事の原理と呼ばれるもので,詳しくいうと次のようになる。…
※「仕事」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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