普及版 字通 「懿(漢字)」の読み・字形・画数・意味
懿
22画
[字訓] よい・うつくしい
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
字はもとに作り、亞(亜)+欠。亞は壺、壺中の美酒を飲む形。神に薦める美酒をいう。〔説文〕十下に「專久にして美なり」とし、恣の省声とするが、恣はのちの誤った形で、壹(壱)がその声。壹も、もと亞に従い、壺の形であった。恣も、欠が初形。美酒を飲んで、神人相楽しむことを懿という。金文に「」「釐」のように、神霊の徳をたたえる語として用いた。
[訓義]
1. よい、うつくしい。神意にかなう意であるから、懿徳・懿釐のように用いる。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕懿 ヨシ・ヨミス・ウヤマフ・ネコフ・ミル・ヒサシ・ヲホイナリ・ハルカナリ・モハラ・ウレウ
[語系]
懿yetは壹iet、噎yetと同系。強い酒を飲むときの感触をいう語のようである。壹は酒のむれる形。
[熟語]
懿懿▶・懿戒▶・懿規▶・懿訓▶・懿行▶・懿士▶・懿旨▶・懿事▶・懿淑▶・懿親▶・懿戚▶・懿度▶・懿徳▶・懿範▶・懿美▶・懿風▶・懿文▶・懿文▶・懿望▶
[下接語]
淵懿・雅懿・淑懿・純懿・淳懿・親懿・清懿・忠懿・貞懿
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報