精選版 日本国語大辞典 「指南針」の意味・読み・例文・類語
しなん‐しん【指南針】
- 〘 名詞 〙 =じしゃく(磁石)[ 一 ]③
- [初出の実例]「指南針の小物の如きも、亦まさに地と相陰陽すべし」(出典:博物新編訳解(1868‐70)〈大森秀三訳〉二)
… また針路と航走距離から推測位置を求めることも,コンパス(羅針儀)などの利用で一般化していった。このコンパスは,中国で指南針と呼ばれ,11世紀に航海用として用いられており,これがヨーロッパに伝えられたといわれている。コンパスの出現以前は,方位の基準として北極星や太陽などを用いていたので,天候や時刻に利用が左右されていたが,コンパスの出現で四六時中方位の基準を得ることが可能となった。…
…そして太陽の光が地面に投ずる土圭の影を測定して,南北の子午線と東西の緯線を知り方位としたという(《周礼》大司徒)。そして戦国時代には指南針があらわれた。《論衡》によれば,天然磁石である司南の杓(さじ)を地盤の上に投ずれば,南を指して落ちつくという仕掛けであった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」