化学辞典 第2版 「挿入反応」の解説
挿入反応
ソウニュウハンノウ
insertion reaction
化学結合A-Bに別な分子,または原子団Xが挿入して,新しい化合物を生じる反応.
A-B + X → A-X-B
有機化合物における炭素-水素結合や炭素-炭素結合へカルベンが挿入して,あらたな炭素-炭素結合を生じることが知られている.
一方,有機金属化合物のまたはH-M結合に,各種の不飽和化合物が挿入して,新しい有機金属化合物を生成することが数多く知られている.この場合,不飽和化合物としては,アルケン類,一酸化炭素,二酸化炭素,二酸化硫黄,二硫化炭素などがある.
[MnH(CO)5] + CF2=CF2 → [Mn(CHF2CF2)(CO)5]
[MnCH3(CO)5] + CO → [Mn(CH3CO)(CO)5]
CoH(N2){P(C6H5)3}3CO2 →
[Co(HCO2){P(C6H5)3}] + N2
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報