有機化合物のうち,炭素骨格に多重結合(二重結合または三重結合)を含む化合物をいう。これに対し,炭素骨格に多重結合を含まない化合物を飽和化合物という。官能基をもたない炭化水素の範囲では,二重結合1個をもつアルケン,三重結合1個をもつアルキンが代表的不飽和化合物である。多重結合を2個以上もつものも不飽和化合物である。環式炭素骨格に多重結合を含むものもある。
これらの不飽和化合物はいずれもその多重結合にもとづく高い反応性を示す。たとえば臭素と付加反応し,また触媒の存在下で水素を付加する。
これに対して芳香族化合物は,環に二重結合をもっているがその性質が著しく異なるので,不飽和化合物とはいわない。また官能基の中にはカルボニル基C=Oやニトロ基-NO2のように多重結合をもつものもあるが,これら官能基で置換された場合でも炭素骨格がすべて単結合で結ばれている場合は飽和化合物に分類される。
執筆者:竹内 敬人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
有機化合物のなかで炭素‐炭素原子間に二重結合(C=C)や三重結合(C≡C)をもつ化合物をいう。環状構造にこれらの多重結合をもつものも不飽和化合物に含まれるが、ベンゼンなどの芳香環は除く。一般に不飽和結合は容易に付加反応をおこすが、芳香環は置換反応を行うことで区別される。炭素とヘテロ原子(炭素以外の原子)間の多重結合を含む場合、一般には不飽和化合物とはいわない。すなわちアセトンCH3COCH3は飽和ケトンであり、パルミチン酸CH3(CH2)14COOHも飽和脂肪酸である。これに対してカルボキシ基-COOHのほかにC=C二重結合をもつオレイン酸CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COOHは不飽和脂肪酸である。
[佐藤武雄・廣田 穰 2015年7月21日]
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C原子間の二重結合,三重結合を含む化合物.これらの化合物は,水素,ハロゲン,ハロゲン化水素などを付加して飽和化合物にかわる性質を示すので,化学的親和力が飽和していないという意味でこのように分類される.これらの反応を含む不飽和化合物の種々の反応は,π電子などに対する求電子反応である.芳香環の構造をもったものは,芳香族化合物として扱い,普通,不飽和化合物に入れない.また,炭素以外の原子を含む多重結合,
,-C≡N
などをもつものも不飽和化合物とはいわない.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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