捩捩(読み)すじりもじる

精選版 日本国語大辞典 「捩捩」の意味・読み・例文・類語

すじり‐もじ・る すぢりもぢる【捩捩】

[1] 〘他ラ四〙 からだをさまざまにまげくねらせる。また、自動詞的に用い、まがりくねる。乱れもつれる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※三体詩素隠抄(1622)二「上には、あまり、のびすして、旁に、さかへて、すぢり、もぢりたる枝が」
[2] 〘自ラ四〙
① あちらこちらにまがりくねって行く。また、あちこち回り道をして行く。
※玉塵抄(1563)四四「山岩をあちこちすぢりもぢりめぐりまわったことぞ」
② すねたり、ひねくれたりする。だだをこねる。
※俳諧・鷹筑波(1638)一「すぢりもぢれる心むつかし 野馬台をよみしは蜘(くも)のいをとめて」

すじり‐もじり すぢりもぢり【捩捩】

〘名〙
① からだをさまざまにまげくねらせること。
※宇治拾遺(1221頃)一「翁、のびあがり、かがまりて、舞ふべきかぎり、すちりもちり、ゑい声をいだして、一庭をはしりまはり舞ふ」
② あちらこちらにまがりくねって行くこと。
※桜井基佐集(1509頃)春「越路へと帰りし鴈の跡はただすちりもちりと霞消行く」
③ すねたり、ひねくれたりすること。また、そのような性質
※寝耳鉄砲(1891)〈幸田露伴一六「お園へ話したことを、すぢりもぢりした厭味と聞かるるほどに」

よじり‐すじり よぢりすぢり【捩捩】

〘副〙 身をくねらせてもだえるさまを表わす語。
※宇治拾遺(1221頃)五「左右の手にて尻をかかへて、いかにせんいかにせんと、よぢりすぢりする程に」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android