化学辞典 第2版 「接触電流」の解説
接触電流
セッショクデンリュウ
catalytic current
ボルタンメトリーやポーラログラフィーにおいて,反応物が電極で電子移動を起こし,その生成物が溶液内で電気化学的には不活性な物質と反応してふたたびもとの反応物となり,電子移動と溶液内反応のサイクルを繰り返すことにより,見掛け上増大して観察される電流をいう.たとえば,Ti4+ は電極で1電子還元され Ti3+ となるが,Ti3+ は水溶液中でヒドロキシルアミンや塩素酸イオンによって酸化され,ふたたび Ti4+ を生成する.サイクルが繰り返されるために見掛け上の電流が増大し,高感度な電気分析化学測定(アンペロメトリー)が期待できる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報