電極(読み)でんきょく(英語表記)electrode

  • 電極 electrode

翻訳|electrode

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

真空または誘電体中に電場をつくるため,あるいは電気伝導体中に電流を流すために設けられた導体。電位の高いほうの極を陽極,低いほうを陰極と呼ぶ。電解液中では正電荷が流れ出すほうの極をアノード,正電荷が流れ込む極をカソードという。このように正電荷の流れる向きによる呼称を拡張して一般にアノードと陽極を,カソードと陰極をそれぞれ同じ極としてさしつかえない場合も多いが,電池両極につないだ外部導線を流れる電流の向きに関するものと電解液中の電流に関するものとでは同一の極が逆の役割にみえることに注意を要する。

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デジタル大辞泉の解説

電界をつくったり電流を流したり電気信号を取り出したりするのに用いる部品。棒状板状・突起状の、金属製の導体半導体が多い。対となる陽極正極)と陰極負極)がある場合、ふつう、電位の高い方を陽極、低い方を陰極とよぶ。電池では電位の高い方を正極、低い方を負極と呼んで区別することが多い。また、真空管電解槽の電極では、負電荷が流れ込む方をアノード正電荷が流れ込む方をカソードと定義する。

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世界大百科事典 第2版の解説

ある系の中に電場をつくったり,電流を流したり,系から電流をとりだしたりする役目を果たす電子伝導体や半導体のこと。電池のような電気化学系は,少なくとも1対の電極から構成されているが,そのうちで,電極から溶液相に向かって正電荷が流れだすほうをアノードanode,逆に溶液相から電極に向かって正電荷が流れこむほうをカソードcathodeと定義する。電気化学系のアノードでは電極反応酸化の方向に,カソードでは還元の方向に進行する。

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大辞林 第三版の解説

電場をつくるため、または電流を流すために、二つ対ついにして設ける導体または半導体。普通、電位の高い側を陽極、低い側を陰極とよぶが、電子管や電気分解では電流が外部電源から流入する方を陽極、外部に流出する方を陰極といい、電池では、電流が外部回路に向かって流出する方を正極、外部から流入する方を負極と呼んで区別することが多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

真空、気体、液体、固体などや生体に電圧を加えたり、電流を流したり、信号を取り出したりするための部品をいう。板状または棒状の金属または半導体が多い。たとえば、コンデンサーの極板真空管のカソード、グリッド、アノード、電池の正極(陽極)や負極(陰極)、電解槽の正極や負極、心電計の電極などがある。電池では電位の高いほうの電極を正極、低いほうの電極を負極とよぶ。電解槽では正電圧を加える側の電極、すなわち陰イオンの集まる電極を正極、これと反対側の電極、すなわち陽イオンの集まる電極を負極とよぶ。また、酸化インジウムスズIndium Tin oxide(ITO)等による透明な電極もあり、液晶パネル、スマートフォンのタッチパネル、電子ペーパー、太陽電池や有機エレクトロルミネセンス(EL)パネル等に用いられている。リチウムイオンなどを含む特殊なガラスの薄膜を使って生体内の電位などを測るためのガラス電極とよばれるものもある。[布施 正・吉澤昌純]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 電池などの電解質溶液や半導体などに電流を流すため、あるいは真空中や誘電体に電場を作るために設けられた一定の形の導体。〔電気訳語集(1893)〕

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化学辞典 第2版の解説

真空あるいは誘電体中,あるいは電解質溶液や融解塩のようなイオン伝導体,半導体などのなかに電流を通すために配置された導体(電子伝導体).少なくとも電気が出ていく電極と入ってくる電極の2個あるのが普通である.電極の形状,大きさなどは目的に応じていろいろのものがあり,その材料としても,金属,合金グラファイト,半導体,金属酸化物など種々の導体が用いられる.また,真空管,放電管などで,電流を流したり,電子流を制御したりする種々の形をした導体も電極とよばれる.電気化学においては,M. Faraday(ファラデー)の命名により,電極反応の進行とともに,溶液側から電極に向かって電子が流れ込む電極をアノード,逆に電極から溶液側へ電子の出ていく電極をカソードという.電池においては,外部回路を通じて正の電気が向かっていく電極を負極,その反対の電極を正極ともよぶが,この場合には,正極がカソード,負極がアノードとなる.

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