掻乱(読み)かきみだす

精選版 日本国語大辞典 「掻乱」の意味・読み・例文・類語

かき‐みだ・す【掻乱】

〘他サ五(四)〙 かきまわしたり、いじったりして乱す。混乱させる。
※木工権頭為忠百首(1136頃)恋「かき乱す心ちこそすれ津の国のこや其の人のあしでと思ふに〈藤原俊成〉」
蒲団(1907)〈田山花袋〉五「平和は再び攪乱(カキミダ)さるることとなった」

かき‐みだ・る【掻乱】

[1] 〘自ラ四〙 (「かき」は接頭語) まとまりや穏やかさが失われる。多く、気持が混乱する、思い悩むことにいう。
源氏(1001‐14頃)若菜下「心地かきみたりて堪へがたければ」
[2] 〘自ラ下二〙 ⇒かきみだれる(掻乱)

かき‐みだ・れる【掻乱】

〘自ラ下一〙 かきみだ・る 〘自ラ下二〙 (「かき」は接頭語) 統一秩序がなくなる。ばらばらになる。
※源氏(1001‐14頃)澪標「雪みぞれかきみだれあるる日」
日葡辞書(1603‐04)「ココロ caqimidarete(カキミダレテ)

そう‐らん サウ‥【掻乱】

〘名〙 かきみだすこと。特に、気持を落ち着かなくさせること。〔布令字弁(1868‐72)〕
枯野抄(1918)〈芥川龍之介〉「小心な彼の気分を掻乱して」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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