デジタル大辞泉 「気分」の意味・読み・例文・類語
き‐ぶん【気分】
㋐ある状況によってもたらされる、その時の心持ち。「仕事をする
㋑からだの状態によって生じる気持ち。「船酔いで
2 その場の
3 気質。気性。「さっぱりした
→気持ち[用法]
[類語](1)気持ち・心地・心持ち・
英語のmood,ドイツ語のStimmung,フランス語のhumeurに相当する言葉。一般に心身についての微弱で持続的な感情をいう。類義語として情趣,情調などがある。ヤスパースによれば〈長く続く感情状態のときの気持,内的状態で,それが長く続くとき精神生活全体に特別の色彩を添えるもの〉とされ,K.シュナイダーによれば〈経過の長い,必ずしも常に反応性ではない感情状態〉である。また個人に特有な恒常的感情は基本気分といわれる。実存哲学においては気分が重要な概念であることが特徴であり,例えばハイデッガーにおいては〈理解Verstehen〉とともに現存在の開示性を構成する本質的契機とされる。
→感情
執筆者:飯田 真
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…〈気持〉〈心持〉のような,人間の心理状態の受動的で主観的な側面をいう。感情には,〈明るい気分〉〈けだるい気分〉〈気分が良い・悪い〉と言われる場合の気分のように,身体の生理的状態の意識への反映と思われる微弱だが持続的なものから,漠然とした快・不快感,激しい欲情や嫌悪感,〈躍り上がって喜ぶ〉とか〈涙を流して悲しむ〉といった身体的表出をともなう激しい情動,ある種の欲望に似た強く持続的な情熱,さらに宗教的感情のようなある種の価値への畏敬の感情にいたるまで実に多様な心的状態が含まれる。いずれもわれわれにとってきわめて身近なものでありながら,この感情の学問的解明は遅れており,相互に対立し合うさまざまな説明が与えられている。…
※「気分」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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