摘田(読み)つみた

精選版 日本国語大辞典 「摘田」の意味・読み・例文・類語

つみ‐た【摘田】

〘名〙 水が深い所などで、苗代を作らず、籾(もみ)直播(じかまき)し、生じた苗が二〇センチメートルくらいに育った頃、混み過ぎた苗を摘みとって、残りを育て実らせる田。つまみだ。
※俳諧・誹諧耕作(1712)「百に一羽つつほをしらぬ摘田かな〈雪凍〉」

つまみ‐だ【摘田】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の摘田の言及

【田植】より

… 田植をしない稲作法もある。〈摘田(つみた)〉〈蒔田(まきた)〉などと呼ばれ,稲もみを直接本田に直まきする方法で,関東地方や南九州,三重・静岡県の一部などで行われた。種もみに肥料を混ぜて播種し,後に稲株の大きさを調整する。…

【農業】より

… 稲作にあって焼畑に相応する劣悪な耕作法は直播法である。《地方(じかた)凡例録》には撒播の蒔田(まきた)と,株播の摘田(つみた)の2種をあげるが,両者とも田植農法では成熟しがたい悪田での方法であり,〈関東筋山寄等悪地〉で行われるといっている。ここにいう山寄は必ずしも極端な山村ではなく,東海道筋の神奈川宿,保土ヶ谷宿周辺の谷戸(やと)田でも幕末期まで直播稲作が行われている。…

※「摘田」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android