改正高年齢者雇用安定法(読み)かいせいこうねんれいしゃこようあんていほう

知恵蔵 「改正高年齢者雇用安定法」の解説

改正高年齢者雇用安定法

2013年4月から、厚生年金の受給開始年齢が引き上げられることに対応し、一部改正されて同時期に施行される「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)のこと。定年に達した人を引き続き雇用する「継続雇用制度」の限定を廃止することなどにより、高年齢者が賃金年金も受け取れないという「収入の空白」期間が生じないよう、少なくとも年金受給開始年齢までは、意欲能力に応じて働き続けられる環境を整備することを目指している。
雇用者の定年の引き上げ、継続雇用制度の導入等により、高年齢者の安定雇用の確保や再就職の促進就業の機会の確保等の措置を講じることなどを目的として、「中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法」が1971年に制定された。現行名称になるまで、様々な変更・改正を経ており、「定年の廃止」「定年の引き上げ」「再雇用など継続雇用制度の導入」のいずれかの制度を導入するよう企業に求めている。これまで、多くの企業では「継続雇用制度」が導入されてきたが、労使協定で能力や勤務態度などの基準を設けて、これに満たない社員を対象から外すことも可能だった。2012年の改正では、「継続雇用制度」の対象者を選別することを禁じるとともに、継続雇用先を当該企業とその子会社から、関連会社まで広げた。これにより、雇用の継続を希望する人は原則として、65歳まで全員再雇用されることが可能となる。また、違反した企業への対策も強化し、勧告のみにとどまらず、これに従わない場合には企業名を公表したり、行政処分を科したりする場合がある。ただし、一部では企業側にとっては負担増となり得ることから、「能力の高い高齢者の賃金が抑制される」「若年者の雇用を妨げる」などの懸念を示す向きもあるという。

(金谷俊秀  ライター / 2013年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

人事労務用語辞典 「改正高年齢者雇用安定法」の解説

改正高年齢者雇用安定法

65歳まで働き続ける環境整備を企業に義務づける法律。高年齢者の安定的な雇用確保のため、65歳までの雇用確保措置の導入が事業主の義務となった(2006年4月施行)ほか、雇用者の再雇用促進などを図る措置(2004年12月施行)も盛り込まれています。
(2004/12/27掲載)

出典 『日本の人事部』人事労務用語辞典について 情報

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