日本大百科全書(ニッポニカ) 「数空間」の意味・わかりやすい解説
数空間
すうくうかん
ある自然数nを定めて、実数(あるいは複素数)のn個の組みを要素とする集合のことをいう。Rn(あるいはCn)と表し、n次元数空間という。n=2のときは数平面という。数空間は、
(x1, x2,……, xn)
+(y1, y2,……, yn)
=(x1+y1, x2+y2,
……, xn+yn)
α(x1, x2,……, xn)
=(αx1,αx2,……,αxn)
と演算を定めると、ベクトル空間となる。そして、有限次元ベクトル空間は、その上に一つの基e1, e2,……, enを定めれば、
x=x1e1+x2e2+……+xnen
→(x1, x2,……, xn)
という対応によって、数空間として表される。
数空間の二つの要素の間には、いろいろな形の距離を導入して、距離空間として扱うことができる。よく用いられるのは、ユークリッドの距離
である。
[竹之内脩]