早期胃癌(読み)そうきいがん(英語表記)early gastric cancer

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「早期胃癌」の意味・わかりやすい解説

早期胃癌
そうきいがん
early gastric cancer

胃癌のうち,癌細胞が粘膜内,あるいは粘膜下層内だけに見られるものをいう。ほとんどは症状がない。胃癌は胃粘膜より発生し,粘膜内→粘膜下層→筋層→漿膜下層→漿膜と進んでいく。筋層を越えた胃癌が進行胃癌である。早期胃癌は進行胃癌と比べてはるかに治療成績のよいことが知られている。早期胃癌の型は,大別すると,隆起型,表面隆起型,表面平坦型,表面陥凹型,陥凹型の5つに分けられ,どの型の早期胃癌も胃X線撮影,胃ファイバースコープなどの検査で診断されるが,正確には胃生検をして病巣部の組織を一部採取し,顕微鏡による組織検査が必要である。

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世界大百科事典(旧版)内の早期胃癌の言及

【胃癌】より

…胃の壁は,粘膜,粘膜下層,筋層,漿膜下層,漿膜の5層からできているが,胃癌は粘膜から発生する悪性腫瘍である。癌細胞がまだ粘膜あるいは粘膜下層だけにとどまっている段階のものを早期胃癌とよび,それよりも進んだものを進行胃癌という。また,胃癌の進行状態をI期からIV期までの病期(ステージ)に分けて,〈第何期の胃癌〉と表現することもある。…

※「早期胃癌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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