改訂新版 世界大百科事典 「明治新聞雑誌文庫」の意味・わかりやすい解説
明治新聞雑誌文庫 (めいじしんぶんざっしぶんこ)
東京大学法学部に所属し,同大学史料編纂所地階にある。1981年に改組され,原資料部(旧,近代立法課程研究会)とともに,〈近代日本法政資料センター〉と呼ばれる。明治時代に発行された全国各地の新聞・雑誌を専門に収蔵している(大正以後のものは明治の創刊で続刊されているものに限られた)。内外通信社博報堂の創業者瀬木博尚の寄付により1926年設立決定,翌年2月から事務を開始した。初代主任宮武外骨の努力で多くの貴重な新聞・雑誌が収集された。明治中期までの東京発行の新聞・雑誌,大阪の新聞を網羅し,官庁発行の日誌類と地方のものもよく所蔵されている。中国語およびその他の外国語の新聞も多種あるが,完備しているものは少ない。
96年現在,新聞約1900種,雑誌約6370種,所蔵目録に《東天紅》全・続・三編の3冊,《明治新聞雑誌文庫所蔵新聞目録》《雑誌目録》《井出三郎文庫目録》などがある。社会科学系のほか,美術,スポーツ,産業,医学などの各分野にわたり,相当数の分量を所蔵する点で国立国会図書館に匹敵するもので,明治の文学史,政治史の研究家によく利用されている。2004年大学院法学政治学研究科付属となった。
執筆者:石井 敦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報