改訂新版 世界大百科事典 「映像増倍管」の意味・わかりやすい解説
映像増倍管 (えいぞうぞうばいかん)
image intensifier
入射光により光電面から放出された光電子を加速,集束して蛍光面に結像,発光させ,光学像を得る真空管。イメージインテンシファイア(略称I.I.)またはイメージ管とも呼ぶ。微弱光の輝度増倍や,不可視光像を可視像に変換する機能をもち,後者は像変換管とも呼ぶ。暗視用,学術研究,医療用などに使う。暗視用イメージインテンシファイアは高感度のマルチアルカリ光電面や,赤外用Ag-O-Cs光電面を用い,入出力面にファイバープレートを使用し2~3個連結して高感度を得るものもある。また,透過形二次電子増倍面をもつ多段形イメージインテンシファイアや,マイクロチャンネル板(MCP。micro channel plateの略)により二次電子増倍を行うMCP-イメージインテンシファイアなどの超高感度映像増倍管があり,天文観測などに使用される。X線用イメージインテンシファイアは入力蛍光面(CsIなど)と光電面を重ね,X線による発光で光電子を発生させ映像を得るもので,医療用としてX線透視の被曝(ひばく)量減少のために使用される。
執筆者:後藤 直宏
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報