電信機材としての真空管は、一九〇四年のフレミングの二極管の発明により実用化された。発達初期には、管内が真空であるところから vacuum tube と呼ばれ、「真空管」の訳語が作られた。その後、欧米では elector tube という名称が広まったが、その訳語としての「電子管」は広まらなかった。日本では、大正一四年(一九二五)のラジオ放送の開始とともに一般化した。現在では、一部のオーディオアンプやギターアンプを除いて殆ど用いられなくなっている。
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高真空の熱電子管で「真空容器内に封入された複数個の電極構成からなり、そのうち少なくとも1個は電子を放出する電極と、その電子を受け取る電極を含む電子装置」と定義されている。真空管は、電子管の発達の初期に、真空度があまりよくない放電管と区別するために、このようによばれるようになった。しかし、現在の学術用語では、むしろ放出された電子のふるまいに重点を置いて、電子管という語が用いられている。
本来の意味では、真空管は一部の放電管を除くすべての電子管を含めるべきであるが、現在、慣習上、初期のラジオ、テレビジョンなどに使われた二極管、三極管、四極管、五極管、ビーム出力管などの受信用の電子管と、放送などに使われる大出力の多極電子管、マイクロ波用の磁電管、クライストロン、進行波管などをいうことが多い。真空封じ容器によりガラス管、金属管、磁器受信管ともよぶ。ガラス管ではST管、GT管、ミニアチュア管(MT管)、サブミニアチュア管(SMT管)と外形の大きさによる呼び名がある。
[岩田倫典]
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…次いでL.デ・フォレストが06年三極管を発明したが,これは人類が初めて作った能動素子(増幅作用のある素子)であり,今世紀前半の無線・有線通信や電子工学の大発展の直接の原因となった。さらに三極管を改善した四極管,五極管などが次々に発明され,このうち小型(小電力)のものは一般に真空管vacuum tubeと呼ばれ,ラジオ放送開始(日本で1925年)以後,受信機用として多く作られた。その後当初のナス形管から30年代ST管,40年代GT管,50年代以降mT管としだいに小型化された。…
…次いでL.デ・フォレストが06年三極管を発明したが,これは人類が初めて作った能動素子(増幅作用のある素子)であり,今世紀前半の無線・有線通信や電子工学の大発展の直接の原因となった。さらに三極管を改善した四極管,五極管などが次々に発明され,このうち小型(小電力)のものは一般に真空管vacuum tubeと呼ばれ,ラジオ放送開始(日本で1925年)以後,受信機用として多く作られた。その後当初のナス形管から30年代ST管,40年代GT管,50年代以降mT管としだいに小型化された。…
※「真空管」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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