春鳥集(読み)シュンチョウシュウ

デジタル大辞泉 「春鳥集」の意味・読み・例文・類語

しゅんちょうしゅう〔シユンテウシフ〕【春鳥集】

蒲原有明かんばらありあけの第3詩集。明治38年(1905)刊。日本近代詩に象徴詩新風を吹き込んだ。

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精選版 日本国語大辞典 「春鳥集」の意味・読み・例文・類語

しゅんちょうしゅうシュンテウシフ【春鳥集】

  1. 詩集。蒲原有明作。明治三八年(一九〇五)刊。創作詩三四編と翻訳詩三編からなる。ロセッティベルレーヌ影響を受け、日本近代詩に象徴詩の新風を吹き込んだ。

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世界大百科事典(旧版)内の春鳥集の言及

【蒲原有明】より

…第1詩集《草わかば》(1902)で,薄田泣菫と並ぶ新しい詩人として世に迎えられた。第2詩集《独絃哀歌》(1903)では,〈独絃調〉と呼ばれる独特の詩律を創始して一時代の流行を生み,特に第3詩集《春鳥集》(1905)は,日本で初めて象徴主義的志向を表明した詩集として有名である。この傾向は次の,そして最後の詩集《有明集》(1908)で完成され,単に象徴詩のみならず,日本近代詩の一大金字塔となったが,以後は詩壇から退いた。…

【詩】より

…明治30年代にはまた,与謝野寛(鉄幹)・晶子らが浪漫主義の旗をかかげ,新詩社を母胎に雑誌《明星》を創刊,一方,河井酔茗,横瀬夜雨,伊良子清白ら《文庫》派の詩人たちも清新な抒情詩の秀逸を数多く発表した。薄田泣菫の《白羊宮》(1906),蒲原有明の《春鳥集》(1905)は,新体詩の達しえた高度に複雑な言語美の世界を示したが,彼らの高踏的・象徴的詩風は,フランス高踏派や象徴派に主眼をおいた訳詩によって日本近代詩史に甚大な影響を及ぼした上田敏の《海潮音》(1905)と同じ精神の土壌から発していた。訳書としての《海潮音》が明治末期の詩界で果たしたのと同様な役割を大正末期・昭和初期に果たしたのは,堀口大学の訳詩集《月下の一群》(1925)である。…

※「春鳥集」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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