日本大百科全書(ニッポニカ) 「曽樸」の意味・わかりやすい解説
曽樸
そうぼく / ツォンプー
(1872―1935)
中国、清(しん)末民国初期の小説家、ジャーナリスト。江蘇(こうそ)省常熟の人。字(あざな)は孟樸(もうぼく)。1891年(光緒17)挙人に及第、北京(ペキン)で官につく一方フランス語を学び、外交官試験を受けたが失敗。戊戌(ぼじゅつ)政変後、上海(シャンハイ)で出版社「小説林社」をおこし、『孽海花(げっかいか)』などの政治小説を書いた。その後、立憲運動に参加したり、江蘇省の役人を勤めたりしたが、1927年官を捨て、上海で真美善書店を開いた。自伝的小説『魯男子(ろだんし)』を含む創作、およびユゴーの戯曲などのフランス文学の翻訳は、当時の社会、文壇に影響を与えた。
[桜井幸江]
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