日本大百科全書(ニッポニカ) 「曽禰達蔵」の意味・わかりやすい解説
曽禰達蔵
そねたつぞう
(1853―1937)
建築家。江戸唐津(からつ)藩邸に生まれる。1879年(明治12)工部大学校造家学科を卒業、工部省営繕局に入るが、81年工部大学校助教授となる。86年海軍に入り鎮守府建築委員。90年退官して三菱(みつびし)に入社、丸の内のオフィス街の建設にあたる。1906年(明治39)三菱を退社し建築設計事務所を開設。08年以降は中条(ちゅうじょう)精一郎とともに曽禰・中条建築設計事務所を経営。日本造家学会(現日本建築学会)の創立委員の1人で、のちに会長となる。おもな作品に、三菱3号館(1896)、三菱4~7号館、占勝閣(1904~05)、慶応義塾図書館(1912)、東京海上火災ビル(1918)、華族会館(1927)などがある。
[天田起雄]