朝庭(読み)あさにわ

精選版 日本国語大辞典 「朝庭」の意味・読み・例文・類語

あさ‐にわ‥には【朝庭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 朝の庭。朝のさわやかな庭。⇔夕庭
    1. [初出の実例]「安佐爾波(アサニハ)に 出で立ち平(なら)し 夕庭に 踏み平らげず」(出典万葉集(8C後)一七・三九五七)
  3. ( 「庭」は農家土間をいう ) 朝、土間で籾(もみ)すりをすること。《 季語・秋 》

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の朝庭の言及

【朝堂院】より

…官司ごとに着座する堂が定められ,818年中国風の呼称になる以前は,各堂は式部殿,弁官殿のように着座する官司名によって呼称された。朝堂に囲まれた庭が朝庭で,儀式の際に臣下らが列立する。南面に門(平安宮では会昌門)を開く。…

【庭】より

… 集会や裁判の行われる共同体の広場も庭であったが,日本の場合,それは早くから首長の宅と結びつき,その管理下におかれていた。天皇の前に官人,百姓などが列立した〈朝庭(ちようてい)〉はこうした庭であり,平安時代,官庭,国庭,公庭(底の字が用いられることも多い)などの語によって知られるように,太政官,国衙などの公的機関にも,訴訟のさいの対決,裁判の行われる庭が存在した。寺院の衆徒の僉議(せんぎ)も庭で行われ,鎌倉幕府,室町幕府にも大庭と呼ばれた訴訟の場があったのである。…

※「朝庭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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