20世紀日本人名事典 「朝比奈 泰彦」の解説
朝比奈 泰彦
アサヒナ ヤスヒコ
明治〜昭和期の天然物有機化学者,薬学者 東京大学名誉教授。
- 生年
- 明治14(1881)年4月16日
- 没年
- 昭和50(1975)年6月30日
- 出生地
- 東京
- 学歴〔年〕
- 東京帝大薬学科〔明治38年〕卒
- 学位〔年〕
- 薬学博士
- 主な受賞名〔年〕
- 桜井賞〔大正1年〕,帝国学士院賞恩賜賞〔大正12年〕,服部報公会報公賞〔昭和9年〕,文化勲章〔昭和18年〕,文化功労者〔昭和26年〕
- 経歴
- 下山順一郎東大教授の指導を受け、明治42年欧州留学、スイスのウイルシュテッター、ドイツのE・フィッシャーの下で研究。45年帰国、東京帝大助教授。下山亡き後の生薬学講座を担当。キツネノボタン成分のアネモニン、サクラ樹皮成分のサクラニン、アジサイや甘栄成分など植物化学に研究範囲を広げた。大正7年教授。14年ごろから地衣の分類と成分分析を始め、トリマスの製造、樟脳の酸化成績体である強心剤ビタカンファー開発など、製薬分野で独創的な業績をあげた。12年には「漢方薬成分の化学的研究」で帝国学士院恩賜賞受賞。昭和18年文化勲章を受章。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）20世紀日本人名事典について 情報