本川郷(読み)ほんがわごう

日本歴史地名大系 「本川郷」の解説

本川郷
ほんがわごう

近世、吉野川上流域の山間部を本川郷と称し、ほぼ現在の本川・大川おおかわ両村域にあたる。宝永三年(一七〇六)の「本川郷風土記」(南路志)は「東ハ長岡郡本山之内上津川村境、西ハ与州境大峯限、右東西拾三里、南ハ土佐郡之内森村境より吾川郡之内清水村并樅の木山村境、北ハ与州境大峯限、右南北弐里余、此内小村数弐拾四ケ村有」と記し、属する村々に葛原かずらわら桑瀬くわぜ中野川なかのかわ寺川てらがわ越裏門えりもん長沢ながさわ(中沢)大森おおもり戸中とちゆう脇野山わきのやま足谷あしだに高藪たかやぶ(以上現本川村)小麦畝こむぎうね小北川こきたがわ大藪おおやぶ下切したぎり南野山みののやま大平おおひら井野川いのかわ(猪ノ川)川崎かわさき高野たかの(本川)大北河おおきたがわ(大北川)朝谷あさだに(浅谷)船戸ふなと小松こまつ(以上現大川村)をあげる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の本川郷の言及

【本川[村]】より

…吉野川源流域に位置し,北部には石鎚山脈の筒上山(1859m),瓶ヶ森(かめがもり)(1897m),寒風山(1763m),笹ヶ峰(1860m)などがそびえ,愛媛県と境する。かつて当村から東隣の大川村を含む一帯は本川郷とよばれ,周囲から隔絶した山間地で,中世には〈本川五党〉と称する5人の土豪がいた。寺川は石鎚山への登山口だが,江戸中期,同地に駐在した土佐藩山廻役春木氏の記した《寺川郷談》は,焼畑や狩猟など当時の生活や習慣をよく物語る。…

※「本川郷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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