日本大百科全書(ニッポニカ) 「本川」の意味・わかりやすい解説
本川
ほんがわ
高知県北部、土佐郡にあった旧村名(本川村(むら))。現在は吾川(あがわ)郡いの町の北部を占める一地域。2004年(平成16)吾川郡伊野(いの)町、吾北(ごほく)村と合併、いの町となる。旧村域は、吉野川源流域を占める。北部の愛媛県境には石鎚(いしづち)山脈が走り、瓶(かめ)ヶ森(1897メートル)は県下最高峰。石鎚国定公園区域。平地に乏しい山村で、農業はおもに焼畑で行われていた。主産業は林業で、スギ、ヒノキの用材生産が中心。ワサビ、シイタケ栽培も行う。電源開発も行われ、大橋、長沢、大森川の各ダムと発電所がある。仁淀(によど)川筋から北上する国道194号は寒風山(かんぷうざん)トンネルで愛媛県西条(さいじょう)市へ抜ける。山中家住宅(18世紀造)は土佐の山間農家の典型で国指定重要文化財。本川神楽(かぐら)は四国山地に伝承する「土佐の神楽」の一つで国指定重要無形民俗文化財。
[正木久仁]
『『本川村史』(1976・本川村)』