朽果(読み)くちはてる

精選版 日本国語大辞典 「朽果」の意味・読み・例文・類語

くち‐は・てる【朽果】

〘自タ下一〙 くちは・つ 〘自タ下二〙
① すっかり腐って原形をとどめないようになってしまう。すっかり老朽してしまう。
※栄花(1028‐92頃)暮待つ星「春の日に乾かざりせば古への袂ながらやくちはてなまし」
② 世に知られることもなく、いたずらに一生を終わる。不遇のままに死ぬ。
※新古今(1205)恋一・一〇七七「難波人(なにはびと)いかなる江にかくちはてんあふ事なみに身をつくしつつ〈藤原良経〉」
福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉大阪修業「どんな事があっても私は中津で朽果(クチハ)てやうとは思ひません」

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