李たん(読み)りたん(その他表記)Li Tan; Li T`an

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「李たん」の意味・わかりやすい解説

李たん
りたん
Li Tan; Li T`an

[生]?
[没]中統3(1262)
中国,元初の反乱世侯。い州益都 (山東省) の人。字は松寿。山東の世侯李全の子,あるいは養子ともいう。金末動乱期に華北に出現した漢人領主は,モンゴルの華北占領後,所領を安堵され,軍,民,財の三権を委任された。その一人李全もモンゴル帝国に帰付し,大祖 21 (1226) 年宋を攻撃したが敗死した。その跡を継いだ李たんは勢力をさらに固め,世祖フビライ・ハン即位の中統1 (60) 年江淮大都督を拝命したが,まもなく元の中央集権化策に反発し,宋の招誘に応じ,アリク・ブガ (阿里不哥)の乱勃発に乗じて,同3年反乱を起し,山東諸州県を陥れた。しかし半年で平定捕殺された。これを契機に漢人世侯は三権を奪われ,元の官僚制に組入れられた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語 ブガ

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android