来なに(読み)こなに

精選版 日本国語大辞典 「来なに」の意味・読み・例文・類語

こ‐な‐に【来に】

  1. 〘 連語 〙 ( 「な」は打消の助動詞の古い未然形。「に」は助詞か ) 来なくて。来ないで。
    1. [初出の実例]「あぜと云へかさ寝にあはなくにま日暮れて宵(よひ)なは許奈爾(コナニ)明けぬ時(しだ)来る」(出典万葉集(8C後)一四・三四六一)

来なにの補助注記

「なに」については、上代東国方言形の「なな」の変化、あるいは、打消の助動詞の古い未然形「な」に「に」の付いたもので「に」は格助詞的なもの、などの諸説があるが、さらに、「な(打消の助動詞未然形)+(む)(推量の助動詞終止形で零表記)+に(指定の助動詞の中止形)」とする説も提出されている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android