枕を欹つ(読み)まくらをそばだつ

精選版 日本国語大辞典 「枕を欹つ」の意味・読み・例文・類語

まくら【枕】 を 欹(そばだ)

  1. 枕を傾ける。枕の一方を高くして頭を傾ける。
    1. [初出の実例]「江頭亭子人事睽、欹枕唯聞古戍雞」(出典文華秀麗集(818)上・江頭春暁〈嵯峨天皇〉)

枕を欹つの語誌

( 1 )白居易の香炉峯下新卜山居詩「遺愛寺鐘欹枕聴、香炉峯雪撥簾看」の詩句が平安時代に佳句としてもてはやされ、「千載佳句」「和漢朗詠集」などに採られて広まった表現。
( 2 )「欹枕」は、もともと、枕にもたれる、枕に横たわるの意であったが、「欹」には傾ける、斜めにするの意もあり、日本では、この「欹枕」を、枕を立てて傾けるの意に解し、「枕をそばだつ」と訓じたものと思われる。ただし、挙例の「文華秀麗集」などは、本来の「枕にもたれる」の意で用いられている可能性もある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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