国指定史跡ガイド 「林氏墓地」の解説
りんしぼち【林氏墓地】
東京都新宿区市谷山伏町にある儒者一族の墓所。もともと上野忍岡(しのぶがおか)にあったものを、1698年(元禄11)に幕府から当時の牛込山伏町に2000坪の別邸を賜わり、その敷地内に移築した。墓地は1926年(大正15)に国の史跡に指定され、1975年(昭和50)に林家から新宿区が購入して所轄となった。この墓には、代々儒学をもって徳川家に仕えた初代の林羅山(はやしらざん)(1583~1657年)をはじめとする12代までの墓と、支族の春徳以下8代までの墓や墓碑など合わせて81基が約360m2の狭い敷地内に林立する。なかには幕末、ペリーの応接掛として日米和親条約締結に尽力した11代林復斎(ふくさい)の墓もあり、毎年11月初旬に一般公開されている。都営地下鉄大江戸線牛込柳町駅から徒歩約5分。