出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
故人の姓名・経歴などを刻した墓標の一種。『喪葬令』に「凡(およ)そ墓には皆碑を立てよ、具官姓名之墓と記せ」とあり、三位(さんみ)以上の高官の墓に碑を立てることを定めている。古代における遺例は少ないが、藤原鎌足(かまたり)の墓碑の存在が『家伝(かでん)』にうかがわれ、元明(げんめい)天皇の墓碑と伝えられるものも現存する。また養老(ようろう)7年(723)銘を有する「阿波国造(あわこくぞう)・粟凡直(あわのおおしのあたえ)弟臣墓」碑は、小形の塼(せん)造墓碑であるが、上下に枘(ほぞ)があり、屋蓋と基礎を有したらしく、古代の墓碑の一典型といえる。このほかに、上野三碑(こうずけさんぴ)の一つとして知られる「山上碑(やまのうえひ)」(681)や、「那須国造(なすのくにのみやつこ)碑」(700?)、「妥女氏塋域(うねめしえいいき)碑」(689)なども墓碑的性格をもったものと考えられている。
[大脇 潔]
…なおmonumentは,〈思い出させる〉を意味するラテン語monereに由来。記念碑はその性格から,(1)埋葬の地に作られる墓碑(墓碑・墓標),(2)特定の人物の記念,頌徳(しようとく)のためのもの,(3)歴史上の事件の記念のためのもの,に大別される。この三つの目的は互いに複合してあらわれるが,それらに一貫して求められるのは,その記念碑のある場所を訪れた人に,過去の人物,出来事を強く想起させ,過去と対話させることである。…
…その時期は後漢時代で,立碑が禁止された魏と西晋時代を除き,南北朝から隋・唐にかけて盛んに立てられた。碑には故人の事績を伝える墓碑や神道碑のほか,功績や徳政その他寺廟や学校などの建立や重修のことを記した紀事碑などがある。碣は碑の形をなさない立石を指す。…
…日本ではその俗字,塚(つか)を使うことが多い。〈墓〉は墓碑を立てたりはするが,遺骸を埋葬する本体は地下にある平らなものをいう。しかし,墳墓というとき,前者を指す場合と,両者をともに指す場合とがある。…
…墓碑は死者の名や没年,生前の事績などを記して墓に立てるもので,石製のほか木製や陶製のものもある。これに対して墓標は,墓地において死者の埋葬場所を標示するものをさし,自然石や加工した石のもの,木製などが多い。…
…代表作《レオナルド・ブルーニの墓》(1451)は,大理石の建築的構造体に彫刻を組み合わせたモニュメントで,背面は教会内壁と一体化している。これは,彫刻家である弟アントニオAntonio R.(1427‐79)の《ポルトガル枢機卿の墓》(1466)をはじめ,15世紀後半から16世紀にかけて多く作られた壁龕(へきがん)型墓碑の最初の本格的作品である。兄弟は,L.ギベルティやドナテロ等15世紀前半の彫刻家たちの古典的な端正さを継承しているが,より流麗であり,新しい世代の好みを示している。…
※「墓碑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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