栗栖野瓦屋(読み)くるすのがおく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「栗栖野瓦屋」の意味・わかりやすい解説

栗栖野瓦屋
くるすのがおく

京都市左京区岩倉幡枝(はたえだ)町の福枝、庄田、西幡枝にわたって群在する瓦窯跡群の総称。1930年(昭和5)木村捷三郎(しょうざぶろう)が出土の瓦(かわら)を検討し、この地を栗栖野瓦屋と推定した。その後京都府によって調査が実施され、その結果平窯(ひらがま)構造であるとともに緑釉(りょくゆう)瓦の焼成も確認された。この瓦窯での屋瓦には「木工」や「栗」の文字が印され、『延喜木工寮式(えんぎもくりょうしき)』記載の官窯栗栖野瓦屋の焼成品を明示してある。栗栖野瓦窯跡として1934年国史跡に指定。

大川 清]

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