木工(読み)コダクミ

デジタル大辞泉 「木工」の意味・読み・例文・類語

こ‐だくみ【木工/木匠】

木材家屋建築修理などをする人。大工工匠
「―の道は小なるにせよそれ一心の誠を委ね」〈露伴五重塔

も‐く【木工/×杢】

木を使って建物器物をつくる人。大工。こだくみ。
「―修理の両棟梁」〈浄・双生隅田川
(杢)木目。また、木目のように同色濃淡のある模様。「いと
[補説]「杢」は国字

もっ‐こう〔モク‐〕【木工】

大工。こだくみ。
木材を使って家具調度品などを作ること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「木工」の意味・読み・例文・類語

も‐く【木工・杢】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 木材を用いて家屋や器物をつくる人。大工。こだくみ。
    1. [初出の実例]「木工(モク)修理の番匠に命じ、樫の柱鉄の貫、七尺四面の獄屋くうでんに取組しは」(出典浄瑠璃・浦島年代記(1722)三)
  3. もくりょう(木工寮)」の略。〔書言字考節用集(1717)〕

木工の語誌

( 1 )古くは「きのみちの工(たくみ)」「このみちの工」あるいは「こだくみ」「たくみ」ともいっており、中世からは「番匠」がこれをさして用いられた。
( 2 )「もく」から母音同化によって「むく」が派生したが、当時の辞書類への採録のされ方からみると、中世においては「もく」よりも「むく」の形の方がより一般的であった可能性もある。それが「もく」へと復帰したのは、漢字「木」の音との関係が意識されたためと思われる。
( 3 )「杢」は「木」「工」の合字。


もっ‐こうモク‥【木工】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 木材を使って家などを建てる職人。大工。こだくみ。木匠
    1. [初出の実例]「山、野砲兵一大隊に附属する官員並諸工〈略〉鍛工、木工、鞍工」(出典:軍制綱領(1875)〈陸軍省編〉二)
    2. [その他の文献]〔礼記‐曲礼下〕
  3. 木材を材料として、家具やおもちゃなどをつくること。
    1. [初出の実例]「木工と云ふ畑に属する工芸品に就て見るも」(出典:春城随筆(1926)〈市島春城〉趣味談叢)

むく【木工】

  1. 〘 名詞 〙もくりょう(木工寮)〔書言字考節用集(1717)〕

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普及版 字通 「木工」の読み・字形・画数・意味

【木工】もくこう

大工。

字通「木」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の木工の言及

【大工】より

…現在は建築のための木工に従事する職人を大工と呼ぶが,そのほかに,荷車等をつくる車大工(くるまだいく),木造船をつくる船大工,家具をつくる家具大工なども存在した。建築に従事する大工を特に家大工(やだいく)と呼んだこともある。…

※「木工」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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