楊布の狗(読み)ようふのいぬ

故事成語を知る辞典 「楊布の狗」の解説

楊布の狗

外見が変わったのを見て、別のものだと思い込むことのたとえ。

[由来] 「列子―説符」や「韓非子ぜいりん・下」に載っているエピソードから。紀元前四世紀、戦国時代の中国でのこと。思想家楊朱の弟、楊布が、あるとき、白い衣を着て外出しました。ところが、雨に降られたので、その衣を脱ぎ、黒い衣になって帰ってきました。すると、飼い犬が別人だと思って、吠えかかってきたのです。楊布が怒ってその犬をぶとうとすると、兄が止めて、「おまえだって、外に出かけた白い犬が黒くなって戻ってきたら、怪しいと思うはずだよ」と諭したということです。

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