正楽名(読み)しようらくみよう

日本歴史地名大系 「正楽名」の解説

正楽名
しようらくみよう

野洲川東岸、野洲北郡内に散在していたとみられる。元応元年(一三一九)の「日吉社領注進記」によれば、野洲北郡正楽名に坂本日吉社神田三町三反があった。同神田は二宮の毎月一日神供料所に充てられており、毘沙門堂内大臣僧正房知行となっていた。このうち比江ひえ(現中主町)内の一町三反は前年より地頭押領され、八夫やぶ(現同上)内一町六反と木部きべ(現同上)内四反は永仁年中(一二九三―九九)より兵主ひようず(現同上)地頭に押領されていた。また正楽名神田は、十禅師八箇度御戸開御供料所の北郡内八木やぎ神田一町とともに権禰宜伊能の奉行と記される。いっぽう正和二年(一三一三)九月一二日の藤原某氏譲状(陸奥斎藤文書)に近江国「しやうらくのミやう」とみえ、同名のうち中村三町地頭職が、惟秀を父とする藤原某から子のいね二郎に譲られた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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