歴史的湾(読み)れきしてきわん(その他表記)historic bays

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「歴史的湾」の意味・わかりやすい解説

歴史的湾
れきしてきわん
historic bays

国際法上,内水としてのの一定条件を具備していないにもかかわらず,古くからの慣習によって,沿岸国が権力を行使し,他国もそれを認めてきたもので,沿岸国の内水として認められる湾。湾口 10カイリが国際規則とされた時期には,これを越える湾口の湾が歴史的湾と主張されたが,領海条約7条や国連海洋法条約 10条は湾口 24カイリ規則を制定しており,現在ではこれを越える湾が歴史的湾として主張されることになる (たとえば,アメリカのサンタモニカ湾,カナダハドソン湾) 。旧ソ連は,湾口 100カイリを越えるピョートル大帝湾を歴史的湾であり内水であると主張して,諸外国の抗議を受けた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の歴史的湾の言及

【内水】より

…湾口がそれ以上の場合には,湾内で最大の水域を囲むように引かれた24カイリの直線が基線となる。湾口がそれより広くとも,沿岸国が古くから湾として主張してきたいわゆる〈歴史的湾〉の場合には,その入口を横切って引かれる線が基線となる。 河川については,河川が直接に海に流入している場合には,河口を横切って引いた直線の内部が内水となる。…

※「歴史的湾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android