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カナダにある巨大な湾。北アメリカ大陸北東部にあり,ハドソン海峡を経て大西洋へ,フォックス湾を経て北極海へ通じる。南部のジェームズ湾を含め面積121万km2。最大深度約450m。カナダ楯状地の中央に位置する凹地に相当する。周辺の岩石は先カンブリア時代の花コウ岩や変成岩が多い。洪積世には大陸氷河の下にあった。冬季は全面結氷する。周辺はホッキョクグマの生息地。1610年,イギリスの探検家H.ハドソンが発見した。沿岸部一帯は,1713年のユトレヒト条約以降イギリスの特許会社ハドソン湾会社の領有地となり,毛皮獣捕獲や森林開発が進められた。1869年カナダ領となり,1929年には内陸部の穀倉地帯からハドソン湾鉄道が西岸のチャーチルまで通じ,31年に初めてここからヨーロッパに向けて穀物が船で輸出された。東岸には少数のエスキモー集落がある。現在,沿岸最大の町はチャーチル。
執筆者:正井 泰夫
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カナダ北東部の大きな湾。広義には、狭義のハドソン湾に南のジェームズ湾、北のフォックス海峡、フォックス湾、北東のハドソン海峡、アンガバ湾を含む。面積約124万3200平方キロメートル(狭義では64万7000平方キロメートル)。主要部の水深は40~180メートルであるが、ハドソン海峡付近では870メートルに達する部分がある。フォックス湾、ジェームズ湾では60メートル以下と浅い。湾内の水は河川の流入により塩分が少ない。狭義のハドソン湾のほとんど全域は冬季パックアイス(流氷)に覆われ、海岸沿いに定着氷帯ができる。氷は5月になると融(と)け始め、9月中旬にはなくなる。北のフォックス湾では1年を通じ流氷がみられる。沿岸の地域は、南西にハドソン湾岸低地が広がるほかは、緩やかな起伏をもつ湖の多いカナダ楯状地(たてじょうち)で、南端のジェームズ湾岸は森林ツンドラ、それ以外は低木・地衣ツンドラ地域である。1610年にイギリスのヘンリー・ハドソンにより発見され、この名がつけられ、1670~1869年の200年間はイギリスのハドソン湾会社の支配下にあった。
[大竹一彦]
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